とりあえず映画日記ということで…。
2005年1月26日 映画
映画レビュー日記にしようかな……と思っているので(すぐ嘘になるかも知れないんですけどね/…)とりあえず。此処へ来て下さっている方の大半が観ているであろう映画。
私は原作を先に読んでいたんですけど、私の場合、原作って関係ないんですよね。全く別として観れるっていうか。居候曰く「それはある意味才能だ」と言うぐらいに、比較しない。無意識にも比較したりとか殆どなくて。
で、原作がどのぐらいのポジションを実写化などで私の頭の中に占めるかというとですね「話の予備知識」程度です。こういうストーリーがあって、メインキャラはこういうのです。みたいな。それだけ。
試写会で観た時の印象は「うるさい映画だなぁ…」でした。
藤原くんって舞台映えする人だと思うので(ホントに、藤原くんの舞台場面を生で見てない人には判らない意見だと思います。本気で舞台の時は圧巻、完璧、凄い、という感じです)終始画面に映って科白を言っているのに何か違和感。
やっぱり映画向けの人じゃないなぁ、と思います。テレビ向けの人でもないけど、テレビと映画って比較するんだったら映画の方が向いていないと思う。通らないんだよね、映画だと声が。折角のあんな良い声が。
あと、監督の好きなキャラクターと、どーでも良いキャラクターがシッカリと出ているな、と思いました。お気に入りのキャラクターの場面って科白の掛け合いが上手いし、画面も凝っている。アクションも。
でも、その他どうでもヨシみたいにされてるキャラクターは適当に撮影したんじゃないの?としか言い様がない。文句じゃなくて、普通に本音でそう思う人は多いんじゃないだろうか。
比呂乃vs光子のシーンや、灯台のシーンなんかは凄く丁寧に脚本も作らせていて、アクションも深作作品だなぁと思わせてくれる気合いっぷりがある。役者さん達の技量云々の前に監督の力の込めっぷりの違いが判る。
反して不良グループvs桐山や、稲田と南の謎相殺、旗上と滝口、瀬戸の最期などは非常に粗雑。その所為で志願者・桐山が最期までよく判らないキャラクターになってしまっていて残念。
柴咲コウの相馬光子というアタリ役でハマリ役に加えて、ハマリ役の同志願者役の山本太郎に、ハマリ役でもなくアタリ役でもない桐山安藤くんが食われてしまった所為も多少はあると思うのだけれど、不良戦の描写を丁寧にすれば桐山和雄というキャラクターが活きたと思う。
柴咲コウは、この映画でブレイクしたけれど本当にハマリ役だった。柴咲コウだからこそ「体を売り物にする」という女特有の武器がさして有効活用されなかったのが許されるのだと思う。彼女の様に強いインパクトを与える顔立ちは、居るだけで「ゲームに乗る人物」と判る。だから「助けて〜」などと嘘演技で慌てふためく相馬光子で無くて逆に良かった。
山本太郎は関西弁である事が逆に活きたと思う。勿論、経験による他キャストとの演技力の差は大きいと思うのだけれど、科白がどうも現代の設定には似つかわしくない言葉だらけだと感じていたので、良い言い方をすれば馴染みやすい関西弁を時折混ざる主要が喋ることによって違和感が薄れていた。
前田亜希は、普段テレビで見かけるイメージそのままに登場して来ては足を引っ張っていたけれど、逆に普段テレビで見かける「ちょっとぶっりこ気味に売っている清純派アイドル」のイメージのまま出て来てくれたので少し電波気味な行動に違和感が無かった。中川典子と言うよりは前田亜希を観ている感じでムカつきもしなければ、感動もしなかった。
藤原くんは、前述の通りなのだけれど、七原というキャラクターの監督のイメージ演出のせいか、どうもリアクションがオーバーで、本来藤原くんが得意とする「繊細」な演技では無いのが悲しい。主役なのだから多少繊細であると思うのだが、深作映画なのでそこら辺は「とにかく前に進め」なのだろうかとも思った。ハズレ役ではないと思うが、ハマリ役だとも決して思えない。
栗山千明は今までの「(本人曰く)のそのそ歩くような」イメージと違っての攻撃的で活発的なキャラクターで観ていて新鮮だった。あぁやって、ハキハキと喋る栗山千明は初めて観たのでインパクトは強かった。vs新井田戦では相手役の本田くんも生徒の中では中々の演技力だったし、監督の熱の入り方も凄かったので集中して観れた。戦う前に彼女の特徴的な顔が何度もアップになるのも良かった。一つ残念なのは杉村の腕に抱かれながらのご臨終シーンのBGM「水面に唄う」が音が少し大きすぎて画面に集中出来なくなってしまったこと。BGMは時に役者の演技を台無しにするので、監督の好みだけで使って欲しくはなかった。
塚本は予備知識が役者として在ったので「頭の悪そうな奴がハッキングしとるぞ、大丈夫か!」と思ったら案の定大丈夫ではなかった(笑)偉そうな口振りも、ヘタレ演技が上手な瀬戸役の島田くんと飯島役の松沢くんで柔和されていたので気にならなかった。初期段階で殺されてしまう江藤恵が写真を持ち歩いているぐらいだからモテるんだろうな、と思わせてくれるぐらい顔もキレイなので合格(何様だ)。
高岡の蒼ちゃんは、正直演技面に関してはまだまだ感は否めないし「蒼ちゃんは好きだけど、こんな大役でなぁ…(汗)」とは思った。しかし、体力七原、知識三村、普通杉村としては好感が持てた。普通だからこそ活きるキャラクターだと思うので、素朴な青年っぽさが滲み出ていて良かったと思う。一つ難を挙げると、引き伸ばし引き伸ばしをして置き、琴弾の描写も長くしていたのに二人の勘違い相殺が少しの時間で描かれていたのにはショックだった。あれだけ伸ばして置いて…と思った人も居ると思う。
安藤くんは、前述した通りなのだけれど「最期までよく判らないキャラクター」で終わった。まぁ、それが監督の狙いだとしたら完璧に狙いに定まってしまったわけだけど。一言も喋らない不気味な安藤くんは普通にカッコイイ兄ちゃんだが、怖いとまではいかない。マシンガンを持っていなかったら唯のガクランを着たお兄ちゃんじゃないだろうか。
北野タケシは、あれはもうタケシはタケシと割り切る他ない。存在感は圧倒的なのだけれども相変わらず科白は棒読みだし、表情の演技も上手ではない。でも別にそれが何だと言うのかという程の存在感があった。これは全部の北野映画に言えることじゃなかろうか。中川典子を慕う設定は「ふーん」としか思わなかった。脚本が少々波錠している所為で北野の行動も、中川の行動も今イチよく理解出来ないからだと思う。
脚本波錠。これは、映画の致命傷。この映画に限らずだけれど、脚本が波錠しているとキャラクターの持っている悩みや、キャラクターの行動、キャラクターの心理なんかが丸つぶれで全く共感出来なくなる。しかも大人数を扱う映画となれば尚更それが薄れてしまう。
北野が授業ボイコットをされたのは七原達が中学一年の時なのだろうが、私立高校ならまだしも、私立中学の生徒が授業ボイコットをするだろうか。まぁ、無理矢理にしたとしたら、相当荒れているクラスに違いないだろう。二年間で中学生全員が更正出来るなんて有り得ないし、ハブられて居たとしても中川典子だけが授業に遅刻してくるのが変だ。ボイコットが日常の様に描かれていたのだから、気付く筈。それなのに「遅れました」と急ぎ足で教室に飛び込んでくる中川、知らなくて…では説明不足だし、もしあのシーンが最初のボイコットだったとしても「何で知らないんだ」ぐらいは、中川典子を目に掛けていた北野なら言ってあげただろうに。言わない事が中川に更に不信感を抱かせることになるのに気付かないぐらい北野が精神的に未熟だとも思いづらく、国信が北野を刺すまでの経過もよく判らない。
あ、文字数オーバー(笑)続きは書かないと思います(非情)
私は原作を先に読んでいたんですけど、私の場合、原作って関係ないんですよね。全く別として観れるっていうか。居候曰く「それはある意味才能だ」と言うぐらいに、比較しない。無意識にも比較したりとか殆どなくて。
で、原作がどのぐらいのポジションを実写化などで私の頭の中に占めるかというとですね「話の予備知識」程度です。こういうストーリーがあって、メインキャラはこういうのです。みたいな。それだけ。
試写会で観た時の印象は「うるさい映画だなぁ…」でした。
藤原くんって舞台映えする人だと思うので(ホントに、藤原くんの舞台場面を生で見てない人には判らない意見だと思います。本気で舞台の時は圧巻、完璧、凄い、という感じです)終始画面に映って科白を言っているのに何か違和感。
やっぱり映画向けの人じゃないなぁ、と思います。テレビ向けの人でもないけど、テレビと映画って比較するんだったら映画の方が向いていないと思う。通らないんだよね、映画だと声が。折角のあんな良い声が。
あと、監督の好きなキャラクターと、どーでも良いキャラクターがシッカリと出ているな、と思いました。お気に入りのキャラクターの場面って科白の掛け合いが上手いし、画面も凝っている。アクションも。
でも、その他どうでもヨシみたいにされてるキャラクターは適当に撮影したんじゃないの?としか言い様がない。文句じゃなくて、普通に本音でそう思う人は多いんじゃないだろうか。
比呂乃vs光子のシーンや、灯台のシーンなんかは凄く丁寧に脚本も作らせていて、アクションも深作作品だなぁと思わせてくれる気合いっぷりがある。役者さん達の技量云々の前に監督の力の込めっぷりの違いが判る。
反して不良グループvs桐山や、稲田と南の謎相殺、旗上と滝口、瀬戸の最期などは非常に粗雑。その所為で志願者・桐山が最期までよく判らないキャラクターになってしまっていて残念。
柴咲コウの相馬光子というアタリ役でハマリ役に加えて、ハマリ役の同志願者役の山本太郎に、ハマリ役でもなくアタリ役でもない桐山安藤くんが食われてしまった所為も多少はあると思うのだけれど、不良戦の描写を丁寧にすれば桐山和雄というキャラクターが活きたと思う。
柴咲コウは、この映画でブレイクしたけれど本当にハマリ役だった。柴咲コウだからこそ「体を売り物にする」という女特有の武器がさして有効活用されなかったのが許されるのだと思う。彼女の様に強いインパクトを与える顔立ちは、居るだけで「ゲームに乗る人物」と判る。だから「助けて〜」などと嘘演技で慌てふためく相馬光子で無くて逆に良かった。
山本太郎は関西弁である事が逆に活きたと思う。勿論、経験による他キャストとの演技力の差は大きいと思うのだけれど、科白がどうも現代の設定には似つかわしくない言葉だらけだと感じていたので、良い言い方をすれば馴染みやすい関西弁を時折混ざる主要が喋ることによって違和感が薄れていた。
前田亜希は、普段テレビで見かけるイメージそのままに登場して来ては足を引っ張っていたけれど、逆に普段テレビで見かける「ちょっとぶっりこ気味に売っている清純派アイドル」のイメージのまま出て来てくれたので少し電波気味な行動に違和感が無かった。中川典子と言うよりは前田亜希を観ている感じでムカつきもしなければ、感動もしなかった。
藤原くんは、前述の通りなのだけれど、七原というキャラクターの監督のイメージ演出のせいか、どうもリアクションがオーバーで、本来藤原くんが得意とする「繊細」な演技では無いのが悲しい。主役なのだから多少繊細であると思うのだが、深作映画なのでそこら辺は「とにかく前に進め」なのだろうかとも思った。ハズレ役ではないと思うが、ハマリ役だとも決して思えない。
栗山千明は今までの「(本人曰く)のそのそ歩くような」イメージと違っての攻撃的で活発的なキャラクターで観ていて新鮮だった。あぁやって、ハキハキと喋る栗山千明は初めて観たのでインパクトは強かった。vs新井田戦では相手役の本田くんも生徒の中では中々の演技力だったし、監督の熱の入り方も凄かったので集中して観れた。戦う前に彼女の特徴的な顔が何度もアップになるのも良かった。一つ残念なのは杉村の腕に抱かれながらのご臨終シーンのBGM「水面に唄う」が音が少し大きすぎて画面に集中出来なくなってしまったこと。BGMは時に役者の演技を台無しにするので、監督の好みだけで使って欲しくはなかった。
塚本は予備知識が役者として在ったので「頭の悪そうな奴がハッキングしとるぞ、大丈夫か!」と思ったら案の定大丈夫ではなかった(笑)偉そうな口振りも、ヘタレ演技が上手な瀬戸役の島田くんと飯島役の松沢くんで柔和されていたので気にならなかった。初期段階で殺されてしまう江藤恵が写真を持ち歩いているぐらいだからモテるんだろうな、と思わせてくれるぐらい顔もキレイなので合格(何様だ)。
高岡の蒼ちゃんは、正直演技面に関してはまだまだ感は否めないし「蒼ちゃんは好きだけど、こんな大役でなぁ…(汗)」とは思った。しかし、体力七原、知識三村、普通杉村としては好感が持てた。普通だからこそ活きるキャラクターだと思うので、素朴な青年っぽさが滲み出ていて良かったと思う。一つ難を挙げると、引き伸ばし引き伸ばしをして置き、琴弾の描写も長くしていたのに二人の勘違い相殺が少しの時間で描かれていたのにはショックだった。あれだけ伸ばして置いて…と思った人も居ると思う。
安藤くんは、前述した通りなのだけれど「最期までよく判らないキャラクター」で終わった。まぁ、それが監督の狙いだとしたら完璧に狙いに定まってしまったわけだけど。一言も喋らない不気味な安藤くんは普通にカッコイイ兄ちゃんだが、怖いとまではいかない。マシンガンを持っていなかったら唯のガクランを着たお兄ちゃんじゃないだろうか。
北野タケシは、あれはもうタケシはタケシと割り切る他ない。存在感は圧倒的なのだけれども相変わらず科白は棒読みだし、表情の演技も上手ではない。でも別にそれが何だと言うのかという程の存在感があった。これは全部の北野映画に言えることじゃなかろうか。中川典子を慕う設定は「ふーん」としか思わなかった。脚本が少々波錠している所為で北野の行動も、中川の行動も今イチよく理解出来ないからだと思う。
脚本波錠。これは、映画の致命傷。この映画に限らずだけれど、脚本が波錠しているとキャラクターの持っている悩みや、キャラクターの行動、キャラクターの心理なんかが丸つぶれで全く共感出来なくなる。しかも大人数を扱う映画となれば尚更それが薄れてしまう。
北野が授業ボイコットをされたのは七原達が中学一年の時なのだろうが、私立高校ならまだしも、私立中学の生徒が授業ボイコットをするだろうか。まぁ、無理矢理にしたとしたら、相当荒れているクラスに違いないだろう。二年間で中学生全員が更正出来るなんて有り得ないし、ハブられて居たとしても中川典子だけが授業に遅刻してくるのが変だ。ボイコットが日常の様に描かれていたのだから、気付く筈。それなのに「遅れました」と急ぎ足で教室に飛び込んでくる中川、知らなくて…では説明不足だし、もしあのシーンが最初のボイコットだったとしても「何で知らないんだ」ぐらいは、中川典子を目に掛けていた北野なら言ってあげただろうに。言わない事が中川に更に不信感を抱かせることになるのに気付かないぐらい北野が精神的に未熟だとも思いづらく、国信が北野を刺すまでの経過もよく判らない。
あ、文字数オーバー(笑)続きは書かないと思います(非情)
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