……タイトルに深い意味はありません。ただ、昨日の日記でアニを思い出してしまったので何となく。判る人(ほんとに一部の人だな)が笑ってくれれば良いタイトル。そして、その判る人にも日記の内容とは全く関係ないことが判るタイトル。(ややこしいな)

ドラマ版世中愛叫のDVDBOXです。
映画には残念ながら思い入れがないので一番安いフツーの一枚を買ったのだけど、ドラマ版には凄い思い入れがあるので余裕で二万を越えた金額を払えた。
ドラマだから、ある意味ずるいよ…と言う意見も多い。
でも、原作が在って、こういう題材なのにドラマの特性を活かさなくてどうするんだと思う。それが成功したんだからいいじゃん、と。

ドラマ版の現代・朔太郎は高校時代から時計が完全に止まってしまっている。映画の現代朔(大沢たかお)と過去朔(森山未來)は、顔の創りが似ているから「あぁ、ちょっと似てるかもね」と思えたけれど、ドラマの現代朔(緒形直人)と過去朔(山田孝之)は顔と言うかオーラが似ている。私はオーラが似ている方がリアリティがあると思った。顔なんて辛い経験をしたり、生活習慣等で十七年も経過すれば変わってしまうだろう。
そして現代朔を支える、映画で言えば律子(柴咲コウ)ポジションだろう小林明希役に桜井幸子。この配役は見事だと思った。過去のエピソードが素敵である程、憎まれ役になってしまうポジションだと思うけれど、桜井幸子の包容力のありそうな存在感が現代朔を変える過程を違和感なく感じさせる。
山田孝之の演技力は見事としか言い様がない。抑えた演技や、狂気染みた演技、大人との間を彷徨う青年の顔、瞳だけの演技、本当にこの人は将来いい役者さんになるなぁと思う。役を自分のモノにしてしまう怪物、と監督やプロデューサーに言われていたがその通りだった。
廣瀬亜紀を演じた綾瀬はるかちゃんは、本当に「この子がオーディションで受かって良かった」と思わせてくれた。後半からのダイエットの成果在っての急性白血病患者の亜紀は、メイクの効果がなくても病人に見えたに違いない。演技力のある脇に囲まれ、吸収した成果も演技で充分に出ていた。
この子も、ころころと表情を変えれる女優さんだ。最初はお人形さんみたいな顔で単純に「可愛い」という印象が、どんどん人間らしさが増して行き、最後は視聴者を離さなくなった。
「お前さん」で有名になった田中幸太朗くんもアタリ役だと思った。本仮屋ユイカちゃんも、江本佑くんも、みんな80年代していて好印象。演技も上手だった。

ドラマでは過去の朔・亜紀に力を入れている。それが良かったんだと思う。ドラマ最初に登場する緒形朔が、山田朔へと変わり、亜紀がドラマ最後に明希となりオーバーラップする。
堤監督の非常に丁寧な演出と、森下佳子さんの綺麗な言葉が並ぶ脚本が更にドラマを魅力的にしていた。
映画とは違うラスト、映画とは違う始まり、過去の朔も亜紀も性格は映画と全く違う。でも私は同じ原作で同名の映画よりも、こっちが好きだ。好みも多いにあると思うけど。

予定調和な物語なのに魅力的なドラマは何度でも見たくなる。
予備知識なくしても、この世界観に引きずり込まれる可能性もありそう。

一番称えたいのは、はるかちゃんのダイエット。一日18時間撮影の中で「毎日卵の白身3つと青汁一杯」で廣瀬亜紀という役と最早心中しようとした彼女の意気込みに拍手を送りたい。
一つ一つのエピソードのレビューもしたいところなので、次は「1巻」からのレビューをしようと思います。

柴咲コウの唄う主題歌も、好印象。原作愛読者なだけあって、亜紀の気持ちがよく判っているなぁと思った。ミディアムバラードだから、余計にエンディングとして盛り上がるし。

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