世中愛叫の七話のレビュー後半に行きたいと思います。
ケロリとした顔で学校へ登校して来た亜紀は、腫れ物に触るような周囲の態度で更に落ち込んでしまう。
そんな亜紀を見かねた朔が午後の授業をサボって遊ぼうと提案する。
亜紀が登校したと知った途端に、谷田部先生の話題が修学旅行からそれたことの意味や、一ヶ月以上来なかった教室の中で自分が置いてきぼりにされていることも、友人達にさえ気を遣わせてしまって居ることを、亜紀は敏感だから感じ取ることが出来たんだろうな。
けど亜紀には朔が居るから。朔は一ヶ月もの間に、亜紀を守る存在に変わった。亜紀の細かい表情一つで何を思っているのか判るようにさえ成っていたんだと思う。
図書室で修学旅行の見学場所について盛り上がる同級生の声を聞きながら、虚しそうな表情の亜紀が切なかった。また、朔に声掛けられた時に嘘ぶって笑ってみせるんだもの……。
二人は午後の授業をサボり、テープを交換し告白した堤防でのんびりと過ごし、その後は亜紀が初めて松本家へと。
堤防での二人のやりとりも、凄い凄い可愛かったけど(一回も好きって言われてない、の下りは本当に可愛い)、朔の母親が帰るまでに洗濯物の畳み方で小喧嘩してる二人はもっと可愛かった(笑)
この頃から、はるかちゃんのダイエットの成果が見え始めたなぁ。
頬も少しこけ、セーラー服から伸びる腕は骨ばってしまっているし、身体の筋肉も全体的に落ちてきている。
6キロの減量と言っていたけど、元から細い身体を最終的にはあそこまで細くするのは大変だっただろうな……。
その夜、松本家で鍋をご馳走になる亜紀。しかし朔の母が自分の病気を知らないのを知った亜紀は、覚悟の上で自分の病名を自ら明かす。
このシーン、とても好きなのだけどその前に。
廣瀬家の亜紀のいない食卓が悲しかった……。この空間がずっと続いたのかと思うだけで胸がしめつけられた。「次、あるわよね…」と言った亜紀の母の言葉が、本当になってしまったのが非常に悲しい。
松本家は松本家で、涙の嵐だし。
亜紀が「あの、本当のこと言ってもいいですか」と少し低いトーンで言った時に、朔母以外全員が固まったもんね。「私、白血病なんです」と朔母に向かって言った時の亜紀の心境ったらない。
そして息子の初めての恋人が白血病だと知らされた母親の心境つったらもう……。けど、ここで引かなかった朔の母に泣いた。
「何であんたなんだよ、どうして仏さんそんな意地悪するかねぇ。ねぇ!?」って泣いたお母さんには私も泣いたよ……。亜紀の名前の由来が「白亜紀の亜紀」という話題から「そんないい名前貰って、大丈夫だからね」と言った朔母は本当に優しい人だなぁと思った。
しかもそれを受けて亜紀が泣きながら小さい声で「また来てもいいですか」って言うし。
その日の帰り道、堤防に寄った二人は何気ない会話を始める。
ここで「世界中を飛び回る絵本の編集者」になるのが夢だった亜紀の今の夢が「朔の家の朝ご飯を食べること」になっていて、朔は嬉しいフリをするけれど、ナレーションの朔は「それさえ、心のどこかで叶わないのではないかと」と言っている。
きっと2004年と1987年では、白血病の認識って全く違ったんだろうなぁ。うちの母親も「その当時は白血病=死ぬ、って感じだったよ」って言ってたし。
亜紀がここで、真島の言葉を借りてだけど「何かを失うことは、何かを得ることだと思わない?」と言い、「前の私だったら、今日のことこんなに喜べなかったと思う。」と語ったのが泣けた。
次の日、治療の終わった亜紀は悲惨な光景を目にする。
真島が急死していたのだ。そして真島の母から「息子の遺言で」と手渡されたスケッチブックとアポリジニの詩への返事を見て亜紀は愕然とする。
真島の死は、もう少し後かな?と思っていたけれど、それでもストーリー的には充分に真島は活躍したと思う。
白血病、というか、血液難病の治療って毎日やっていても、毎日「もういやだ」と思うぐらい痛いらしい。真島は急性ではない為、闘病生活を五年も続けていた。亜紀が驚いたもう一つの「真島は治療拒否をしていた」真実に、白血病の恐ろしさが現れていると思う。
夜がこんなに長く、朝が来るのがこんなに幸せだったと語っていた真島の姿は、もうそこにはない。この時、亜紀が病気の症状で軽い眩暈を起こしたが、それも次の展開への不安材料となったのだろう。
朔が病院に来ると、丁度亜紀の病室の近くで真と会い、亜紀の病室を二人で訪れる。しかしそこには、散乱した点滴や治療器具、そして亜紀の母しか居なかった。
急いで亜紀を探す朔と真。そして夜になる頃、ようやく朔は海で入水自殺を計ろうとしている亜紀を見つけ、止めようとする。
ここ、ずっと号泣。涙で画面が見えないぐらいに。
ずっと気丈に振舞っていた亜紀の精神が崩れてしまい、必死に朔が繋ぎとめている姿が痛々しすぎて。大好きな朔に声をかけられても海に向かうことを止めなかった亜紀の表情といったらなかった。
そして追ってくる朔を払いのけての第一声の「今死んだって同じじゃない!!」にやられた。やられっぱなしだった。「どうせ死ぬんだったら、何で辛い治療受けなきゃいけないの。皆卒業して、社会に出て、結婚して、私そういうの横目で見ながら暮らすんだよ?僻んで、可哀相ねって言われて、いいことなんか一つもないのに惨めにいいこと探して…私そうやって暮らすんだよ!?一生だよ!?何で私がこんな目にあわなくちゃいけないの!!」と泣き叫んだ亜紀が痛々しくて。
はるかちゃんが、すっかり廣瀬亜紀に成ってしまっているから余計に泣ける。
「朔ちゃんだって思ってるくせに、私が死ぬって思ってるくせに!」と言った亜紀に「そうだよ、思ってるよ…思っちゃうよ!」と朔が返したのには驚いた。「思ってないよ!」って言うのが普通だから。
「でも俺の知ってる廣瀬亜紀は、鼻血出ても保健室行かないんだよ、雨の日でも弔辞読むんだよ、白血病でも自己ベスト更新すんだよ!だから、だから…絶対裏切るなよ」って、亜紀に言いながら自分に言い聞かせた朔も痛々しくて。弱々しい声で言いながらも、最後は言い聞かせるように大声で叫ぶ朔が痛々しすぎて……。
その言葉を聞いて崩れるように立ち止まった亜紀が泣きながら「はい」と小さく返事をした時は、もう恥ずかしいけど嗚咽交じりに泣いていた。「うん」でもなく「わかった」でもなく「はい」っていう言葉が、何かとても切なかった……。
再び現代朔。明け方、朔が実家に戻ると、家の前に一樹が居た。一人で来たらしい一樹は朔に抱き着き、思いを告げると朔は一樹を思い切り抱き締める。
「朔が居ないと、うちの写真増えないんだ。朔がいないと、僕もママも困るんだ」と泣きながら自分を求めた一樹に、朔は初めて「誰かに必要とされている」と思うことが出来たのかも知れない。
「僕のこと、嫌いになった?」と言った一樹を思い切り抱き締めて「大好きだよ」と言った朔。朔の世界に再び少しずつ色が戻ってきている。泣いてまで自分を求めた一樹に、あの日の自分を重ねたのかも知れない。
遠い夏の日、温もり、生きる喜び…という主題歌の意が見えはじめた。朔と亜紀が、本当の意味で幸せな形で手を取り合えるまでもう、少し。あと、少し。
この回って、映画とかにも出来そうなぐらい良い出来だったなぁ。大満足で大号泣。
ケロリとした顔で学校へ登校して来た亜紀は、腫れ物に触るような周囲の態度で更に落ち込んでしまう。
そんな亜紀を見かねた朔が午後の授業をサボって遊ぼうと提案する。
亜紀が登校したと知った途端に、谷田部先生の話題が修学旅行からそれたことの意味や、一ヶ月以上来なかった教室の中で自分が置いてきぼりにされていることも、友人達にさえ気を遣わせてしまって居ることを、亜紀は敏感だから感じ取ることが出来たんだろうな。
けど亜紀には朔が居るから。朔は一ヶ月もの間に、亜紀を守る存在に変わった。亜紀の細かい表情一つで何を思っているのか判るようにさえ成っていたんだと思う。
図書室で修学旅行の見学場所について盛り上がる同級生の声を聞きながら、虚しそうな表情の亜紀が切なかった。また、朔に声掛けられた時に嘘ぶって笑ってみせるんだもの……。
二人は午後の授業をサボり、テープを交換し告白した堤防でのんびりと過ごし、その後は亜紀が初めて松本家へと。
堤防での二人のやりとりも、凄い凄い可愛かったけど(一回も好きって言われてない、の下りは本当に可愛い)、朔の母親が帰るまでに洗濯物の畳み方で小喧嘩してる二人はもっと可愛かった(笑)
この頃から、はるかちゃんのダイエットの成果が見え始めたなぁ。
頬も少しこけ、セーラー服から伸びる腕は骨ばってしまっているし、身体の筋肉も全体的に落ちてきている。
6キロの減量と言っていたけど、元から細い身体を最終的にはあそこまで細くするのは大変だっただろうな……。
その夜、松本家で鍋をご馳走になる亜紀。しかし朔の母が自分の病気を知らないのを知った亜紀は、覚悟の上で自分の病名を自ら明かす。
このシーン、とても好きなのだけどその前に。
廣瀬家の亜紀のいない食卓が悲しかった……。この空間がずっと続いたのかと思うだけで胸がしめつけられた。「次、あるわよね…」と言った亜紀の母の言葉が、本当になってしまったのが非常に悲しい。
松本家は松本家で、涙の嵐だし。
亜紀が「あの、本当のこと言ってもいいですか」と少し低いトーンで言った時に、朔母以外全員が固まったもんね。「私、白血病なんです」と朔母に向かって言った時の亜紀の心境ったらない。
そして息子の初めての恋人が白血病だと知らされた母親の心境つったらもう……。けど、ここで引かなかった朔の母に泣いた。
「何であんたなんだよ、どうして仏さんそんな意地悪するかねぇ。ねぇ!?」って泣いたお母さんには私も泣いたよ……。亜紀の名前の由来が「白亜紀の亜紀」という話題から「そんないい名前貰って、大丈夫だからね」と言った朔母は本当に優しい人だなぁと思った。
しかもそれを受けて亜紀が泣きながら小さい声で「また来てもいいですか」って言うし。
その日の帰り道、堤防に寄った二人は何気ない会話を始める。
ここで「世界中を飛び回る絵本の編集者」になるのが夢だった亜紀の今の夢が「朔の家の朝ご飯を食べること」になっていて、朔は嬉しいフリをするけれど、ナレーションの朔は「それさえ、心のどこかで叶わないのではないかと」と言っている。
きっと2004年と1987年では、白血病の認識って全く違ったんだろうなぁ。うちの母親も「その当時は白血病=死ぬ、って感じだったよ」って言ってたし。
亜紀がここで、真島の言葉を借りてだけど「何かを失うことは、何かを得ることだと思わない?」と言い、「前の私だったら、今日のことこんなに喜べなかったと思う。」と語ったのが泣けた。
次の日、治療の終わった亜紀は悲惨な光景を目にする。
真島が急死していたのだ。そして真島の母から「息子の遺言で」と手渡されたスケッチブックとアポリジニの詩への返事を見て亜紀は愕然とする。
真島の死は、もう少し後かな?と思っていたけれど、それでもストーリー的には充分に真島は活躍したと思う。
白血病、というか、血液難病の治療って毎日やっていても、毎日「もういやだ」と思うぐらい痛いらしい。真島は急性ではない為、闘病生活を五年も続けていた。亜紀が驚いたもう一つの「真島は治療拒否をしていた」真実に、白血病の恐ろしさが現れていると思う。
夜がこんなに長く、朝が来るのがこんなに幸せだったと語っていた真島の姿は、もうそこにはない。この時、亜紀が病気の症状で軽い眩暈を起こしたが、それも次の展開への不安材料となったのだろう。
朔が病院に来ると、丁度亜紀の病室の近くで真と会い、亜紀の病室を二人で訪れる。しかしそこには、散乱した点滴や治療器具、そして亜紀の母しか居なかった。
急いで亜紀を探す朔と真。そして夜になる頃、ようやく朔は海で入水自殺を計ろうとしている亜紀を見つけ、止めようとする。
ここ、ずっと号泣。涙で画面が見えないぐらいに。
ずっと気丈に振舞っていた亜紀の精神が崩れてしまい、必死に朔が繋ぎとめている姿が痛々しすぎて。大好きな朔に声をかけられても海に向かうことを止めなかった亜紀の表情といったらなかった。
そして追ってくる朔を払いのけての第一声の「今死んだって同じじゃない!!」にやられた。やられっぱなしだった。「どうせ死ぬんだったら、何で辛い治療受けなきゃいけないの。皆卒業して、社会に出て、結婚して、私そういうの横目で見ながら暮らすんだよ?僻んで、可哀相ねって言われて、いいことなんか一つもないのに惨めにいいこと探して…私そうやって暮らすんだよ!?一生だよ!?何で私がこんな目にあわなくちゃいけないの!!」と泣き叫んだ亜紀が痛々しくて。
はるかちゃんが、すっかり廣瀬亜紀に成ってしまっているから余計に泣ける。
「朔ちゃんだって思ってるくせに、私が死ぬって思ってるくせに!」と言った亜紀に「そうだよ、思ってるよ…思っちゃうよ!」と朔が返したのには驚いた。「思ってないよ!」って言うのが普通だから。
「でも俺の知ってる廣瀬亜紀は、鼻血出ても保健室行かないんだよ、雨の日でも弔辞読むんだよ、白血病でも自己ベスト更新すんだよ!だから、だから…絶対裏切るなよ」って、亜紀に言いながら自分に言い聞かせた朔も痛々しくて。弱々しい声で言いながらも、最後は言い聞かせるように大声で叫ぶ朔が痛々しすぎて……。
その言葉を聞いて崩れるように立ち止まった亜紀が泣きながら「はい」と小さく返事をした時は、もう恥ずかしいけど嗚咽交じりに泣いていた。「うん」でもなく「わかった」でもなく「はい」っていう言葉が、何かとても切なかった……。
再び現代朔。明け方、朔が実家に戻ると、家の前に一樹が居た。一人で来たらしい一樹は朔に抱き着き、思いを告げると朔は一樹を思い切り抱き締める。
「朔が居ないと、うちの写真増えないんだ。朔がいないと、僕もママも困るんだ」と泣きながら自分を求めた一樹に、朔は初めて「誰かに必要とされている」と思うことが出来たのかも知れない。
「僕のこと、嫌いになった?」と言った一樹を思い切り抱き締めて「大好きだよ」と言った朔。朔の世界に再び少しずつ色が戻ってきている。泣いてまで自分を求めた一樹に、あの日の自分を重ねたのかも知れない。
遠い夏の日、温もり、生きる喜び…という主題歌の意が見えはじめた。朔と亜紀が、本当の意味で幸せな形で手を取り合えるまでもう、少し。あと、少し。
この回って、映画とかにも出来そうなぐらい良い出来だったなぁ。大満足で大号泣。
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